Aloha Aina 1-10

01. Lava

Ocean Entry, Big Island
Ocean Entry, Big Island

火山と共に生きる 

ハワイの島々は火山活動で生まれました。太古の昔から今もその活動は続いています。ハワイを形成する溶岩には、二つの種類があります。粘り気のある小さな溶岩が集まり表面がトゲトゲとした”Aa” と、サラサラとした溶岩が流れながら固まり表面が滑らかな”Pahoehoe”です。キラウエアの火山は、近年で何度も大きな噴火が起き、溶岩が流れ出しています。今も町を飲み込み海へ流れ出しハワイ島を広げています。

キラウエアの溶岩は火の女神ペレの化身と崇められています。溶岩流は森や家屋を焼き尽くし、溶岩台地へと変えてしまいます。それは怒り狂うペレの姿そのものです。人々の暮らしに彩られた町は破壊され漆黒の大地になってしまいます。荒涼とした溶岩台地は何も無い場所に思えますが、溶岩が冷え固まり数週間もすれば、クプクプというシダが芽吹き始めます。そしてハワイ固有種の花木が根付き、生き物が暮らし始めます。その後自然のサイクルを繰り返し、その場所は豊かな大地になっていきます。ハワイ島に暮らす人達は、噴火を「ペレの怒り」と言い、ペレの破壊と創造を無駄に防ごうとはしません。溶岩に埋め尽くされた大地はやがて肥沃な土地になり、自分たちの子孫を育ててくれる事を知っているからだと思います。

ハワイの溶岩を持ち帰ってしまうと「ペレが怒り災難が降りかかる」と言われていますのでご注意ください。

ペレはハワイ島のキラウエア山 ハレマウマウ火口に住むの火の女神です。火山が噴火したときに出来る雫型の小さなマグマの固まりやキラウエア火山から噴出する溶岩石のペリドットはペレの涙と呼ばれています。それは…男との喧嘩に負け流した、悔し涙だそうです。雫型の涙はメタルチャームで、溶岩石の涙はガラスビーズで作ったAa溶岩とペリドットのチャームで表現しています。伝説のペレ姐さんをイメージし、男前ブラックにコーティングしたコナコーヒー豆(本物の焙煎豆)をワンポイントにしています。

“Aa”はゴツゴツした溶岩の事です。その溶岩をイメージしスリーカットのガラスビーズで作りました。

ハワイ島のキラウエアは活発な火山活動をしており噴出した溶岩流は海へ流れ込んで 今もハワイ島を少しずつ広げています。カラパナの溶岩台地を2時間ほど歩いて行けば、目の前に流れる溶岩流とオーシャンエントリーが見られる…かもです。溶岩流は生き物なので どこに流れるかは溶岩次第(=ペレのご機嫌次第)なのです。また、自然の営みなので状況が悪化すれば立入が規制されます。タイミングが合って 溶岩流を見る事が出来たなら、地球は生きている!! という事が体感できます。

ハワイ諸島で一番若く大きな島「Big Island」。この島のテーマカラーは赤色です。溶岩台地に根付くオヒアレフアの赤、溶岩流の赤、火の女神ペレの赤...今も育ち続けるBig Islandの赤をワンポイントに、スクエアカットの溶岩ビーズと島の形のウッドビーズでハワイ島を作りました。


Big Island_ペリドット

活発な火山活動を続けるキラウエア火山から噴出する溶岩にはペリドットが含まれています。ハワイでペリドットはハワイアンダイアモンドと呼ばれています。サークルシェイプの溶岩ビーズと島の形のウッドビーズでハワイ島を作りました。

PELE

キラウエア火山から溶岩が流れ出し空気に触れ表面が滑らかな膜に覆われる...そうやって進んでいった溶岩はやがて冷えて固まり溶岩石になる。海へたどり着いた溶岩は波にあわられ丸くなっていく。というペレの活動をデザインしています。


02. Aumakua Honu

Honu, Kaneohe, Oahu
Honu, Kaneohe, Oahu

家の守り神・ホヌ

ホヌはハワイ語でウミガメのことです。ハワイにはアウマクアという先祖代々の守り神があります。ウミガメもその一つです。ホヌは、神聖な生き物で「幸せを運ぶ神の使い」として崇められています。オアフ島クアロアに祀られているチャンスの神様もウミガメに乗っています。また「海の守り神」として大切にされています。ハワイには、ホヌが甲羅干しにやって来るビーチがたくさんありますが、ハワイ州の法律でエサをあげたり、触ったり、必要以上に近づいたりする事を禁止されています。ホヌは特別保護動物に指定されていて違反すると$500以上の罰金が課せられます。もしビーチでホヌに出会った時は、一定の距離を保ち見守ってあげてください。ホヌは見るだけで、幸運を分けてくれます。 Keep out Honu, Keep it Smile(^^)

さざれ石のペリドットをホヌのチャームにしました。不揃いのペリドットがホヌの甲羅のようになっています。さざれ石なので、インクルージョンがありますが、それが甲羅の模様や苔のようで愛らしく見えます。

オアフ島カネオヘのサンドバー天国の海(Ahu o Laka)のHeavenly Gradient が二重になったアンクレットにホヌのチャームをつけました。天国の海を泳ぐホヌをイメージしています。Ahu o Lakaはウミガメの生息地になっています。



03. Hala Kahiki "Painapple"

Laulea, Kailua Kona, Big Island
Laulea, Kailua Kona, Big Island

Welcome フルーツ

南国フルーツの代表ひとつ、パイナップルです。トゲトゲで色鮮やかな葉の上にちょこんと乗っかったパイナップルを見ると、とても幸せな気分になります。シズル感あふれる黄色い果肉はまさに元気玉ですね。マウイ・ゴールドやホワイトハニー、ハワイには美味しいパイナップルがたくさんあります。オアフ島のど真中の町ワヒアワには広大なドールのパイナップル畑があります。世界一の迷路や、プランテーション見学のトロッコ、パイナップルのソフトクリームなど目一杯楽しめるレジャー施設です。パイナップルはとてもハワイらしいアイコニックなモチーフです。太陽のエネルギーとハワイの大地の恵みから作り出されるパイナップルは元気をくれるモチーフと言われています。また、パイナップルはとても貴重な果物だったことから、大切なお客様を迎えたり感謝の気持ちを表す時の「おもてなしアイテム」だったそうです。パイナップルのハワイアンキルトが玄関やゲストルームに飾られているのは、ホストの歓迎の気持ちだったのですね。

全てワイヤーで制作しています。ワイヤーアートなので大きめのモチーフでも軽快感があります。同じものは一つと無い自然が造る形を表現しています。

パイナップルは運気をアップする果物で、新しい発見や出会いをもたらしてくれます。新しい季節にパイナップル 良いかもです。

銀のHala Kahiki

ステンレスワイヤーで編んだパイナップルピアスです。シルバー単色なのでモノトーンコーデで使いやすくなっています。



04. Ohia Lehua

Ohia Lehua, Waikiki, Oahu
Ohia Lehua, Waikiki, Oahu

ビッグアイランドの象徴

オヒアレフアはハワイ島を象徴する植物です。荒涼とした漆黒の溶岩台地に根を張るオヒアの木。その木に咲く 鮮やかな赤い花 レフア。 木と花に別々の名前がついているこの植物には、悲しくて切ない伝説があります。

ハワイに伝えられる物語の中でペレ絡みの伝説は、恋人同士がいる→ペレが彼氏に惚れる→彼氏が恋人を選ぶ→ペレ怒る→恋人が引き離されるというプロットになっています。ペレ系の伝説の中でもオヒアレフアの悲愛の話はとても有名です。オヒアレフアは、溶岩台地にはじめに根付く花木です。ペレの怒りによって木にされたオヒアですが、ペレの創造活動の第一歩を担っているんですね。レフアはふわふわとした赤い雌蕊が集まった優しい触感の花ですが、漆黒の大地に鮮やかなレフアの赤は、二度と離れない!というレフアの意志のようにも思えます。悲しみの雨が降らないようオヒアとレフアを一緒にしたアクセサリーにしています。

 

オヒアレフアの伝説は https://m.allhawaii.jp/article/1334/

ピアス

コットンの糸で作ったレフアは、花のフワフワ感を表現しています。柔らかく張りのある花は自然が作り出した芸術なので、再現することは難しいです。今も試行錯誤を繰り返す未完の作品です。

ロングピアス

ワイヤーアートのレフアと極小ガラスビーズの蕾でハワイの風に揺れるオヒアレフアを表現しました。

捻りのあるチェーンは、オヒアの枝や溶岩大地に広がるペレの髪をイメージしています。

レフアが風に揺れる様子を再現したく作りました。レフアの繊細でありながら張りのある花の姿を目指しています。自然が作り出す造形は偉大だと思います。溶岩ビーズに根付くオヒアの木は本当に力強くレフアをそっと抱きかかえているように見えます。



05. Naupaka

Naupaka
Naupaka

悲恋花 ナウパカ

ナウパカには2種類あり、生息地が異なります。Naupaka Kahakaiは海ナウパカ(葉が丸い)は、ハワイの海岸沿いでよく見かけます。Naupaka Kuahiwiは山ナウパカ(葉が尖っている)は、ハワイの山中に生息しているのであまり見ることがありません。山ナウパカは6種類あると言われています。ホウマルヒア植物園のハワイアンボタニカルゾーンで山ナウパカを初めて見ました。先が尖った大きく柔らかな葉っぱが印象的でした。霧雨の中大きな葉っぱに隠れるように咲くナウパカの花はどこか憂いを感じます。ナウパカは、半円の小さな白い花が特徴的でとても不思議な植物です。山ナウパカが女性で「ナナウ」、海ナウパカが男性で「パパカ」だとされています。「悲恋花」と呼ばれるナウパカには悲しく切ない伝説が数多くあります。それは、半分に割かれた様に咲く花は、相手に半分を渡しどこかへ行ってしまう...という内容で語り継がれています。また、ナウパカは別々の場所で半円の花を咲かせるので、お互いを思い合っているとも言われています。海と山のナウパカの花を二つ合わせて一つの花にすると、再会を喜び雨が降る...とか、離れ離れになった二人の魂が導かれ結ばれる...と言われています。悲しい物語を持つナウパカですが、ダウンタウンに海ナウパカと山ナウパカが一緒に並んで植わっている場所があるそうです。残念ながら詳細な場所はわかりませんが、ダウンタウンのナウパカの様にナナウとパパカがペアのアクセサリーならいつも一緒にいられて幸せなんじゃないかと思います。

型抜きをした紙にレジンを何層も塗り重ねて花を作っています。ナウパカの可憐さを保ちながら、パーツの強度を持たせる頃合いに苦労します。ワイヤーにエナメルの膜を張って作るナウパカの葉は、ハワイの陽射しを浴びて育つ生命感が出したくていつも何度もやり直しをしてしまいます。

ピアス

レースの花はナウパカの可憐なイメージを表現しています。山と海のナウパカの特徴的な葉っぱはディップアートで制作しています。優しげな印象になるようにつや消しで仕上げています。



06. Shower Tree

Rainbow Shower Tree, Waikiki, Oahu
Rainbow Shower Tree, Waikiki, Oahu

Summer has come!

ハワイで夏の訪れを告げる花、シャワーツリー。街路樹が色づき、夏のワクワク感を演出してくれます。風が吹くと花びらがシャワーのように散る姿からシャワーツリーと名付けられたそうです。シャワーツリーには色々な花色があります。その中でもとびきり色鮮やかなのがレインボウ・シャワーツリーです。一本の木にピンクやオレンジ、黄色や白の花が咲き誇ります。青空と花のコントラストに夏が始まるワクワクした気持ちが増幅されます。シャワーツリーは、ハワイのいろんな場所に植えられています。歩き疲れたら深呼吸して空を見上げてみてください。風が花吹雪のシャワーをプレゼントしてくれるかもしれません。 

花形のスパンコールは、ハワイの太陽を反射してキラキラ輝いています。豆科の樹木の特徴的な複葉はワイヤーで作っています。風に吹かれた時の葉の様子が表現しています。生き生きした感じが伝わると嬉しいです。



07. Niu

Palm Tree,
Palm Tree,

パラダイスの象徴

Niuは、ハワイ語でココヤシのことです。パラダイスといえば青い海にパームツリー=ココヤシをイメージします。ハワイには様々なヤシが生育していますが、ココヤシが最も多く、ハワイのシンボル的な存在にもなっています。貿易風になびくヤシの葉を見ると「ハワイに来た〜!」という実感が湧きます。

ココヤシの実ココナッツはオイルやミルク、葉っぱは家の屋根、茎はロープなど、ココヤシは利用価値の高くハワイアンにとって暮らしを支える大切な植物でした。そういう事からココヤシのモチーフには「家族愛」「守護のお守り」という意味があります。

サワサワと風になびくヤシの葉を見ていると、葉の付け根にクリーム色のフサがワサっとなっている事に気づきました…それはココヤシの花でした。ココヤシは樹齢10年を超えると花が咲きます。葉の付け根のあたりに房状の小さなツブツブの花を咲かせます。あまりに高い場所にある小さな花なのでなかなか見ることがないですよね。

 



08. Bougainvillea

Bougainvillea, Kailua, Oahu
Bougainvillea, Kailua, Oahu

魂の花

ハワイのあちらこちらで見る事ができるブーゲンビレア。フォトジェニックなハワイをより鮮やかに演出してくれます。情熱的な花に見えますが、本当の花は中央に咲く小さな白い花です。花の周りの色鮮やかな部分は、苞葉といいます。たわわに開く鮮やかなピンク色の苞葉は南国のワクワク感そのものです。その美しい花姿が人の気持ちを揺さぶることから「魂の花」と言われているそうです。ブーゲンビレアは、咲いている時も美しいですが、木から落ちてもしばらくの間はその美しさを保っています。庭のブーゲンビレアを拾うたびに「このままアクセサリーにならないかなぁ。。。」と思います。それは、まさにブーゲンビレアに魂を奪われているということですね。

ブーゲンビレアのピアスです。苞葉のカサカサっとした本物っぽさを追求しました。サイズも原寸大で圧倒的な存在感です。

 


09. Kalo

Kalo, Kainaliu, Big Island
Kalo, Kainaliu, Big Island

ハワイアンの原点

Kaloは、ハワイの伝統食材 タロイモのことで、古代ハワイアンにとってはとても神聖な食べ物です。タロイモはハワイアンの原点で「人間はKaloから生まれた」という神話が残されています。

Kaloは、葉も茎も全て食べることができ、栄養価が高く、非アレルギー食材です。イモをすりつぶしペースト状にした「ポイ」が伝統食として有名です。酸味と独特のペースト状態に好みが分かれますが、ハマると癖になる味です。ハワイでは、このポイが上手に作れる事がイケメン基準の一つだったそうです。また、優秀な食材としてタロイモ入りのマラサダやパン、マフィン…など色々あります。マクドナルドの「タロイモパイ」もハワイ限定グルメになっていますね。そんなハワイアンの原点タロイモは、日本人にとって米のような存在です。田んぼが日本の原風景のように、タロイモ畑はハワイの原風景なのですね。特にカウアイ島のハナレイ渓谷展望台から望むタロパッチはとても美しい原風景です。110年以上の歴史がある広大なタロ畑はアメリカ合衆国の歴史登録財に指定されています。Kaloのモチーフは「原点回帰」を意味します。何かに行き詰まった時や行き先に迷った時に初心を思い出すアイテムにKaloは役立つと思います。

木質粘土で作ったイモは色が2種類、葉っぱは3種類の色があります。南国過ぎないハワイですが、とてもハワイなピアスです。

 

ストールやマフラーの留ピンとして、バッグの飾りとして、ニットのブローチに、秋冬も楽しめるハワイアイテムです。


10. Kokiokeokeo

Kokiokeokeo, Manoa, Oahu
Kokiokeokeo, Manoa, Oahu

白いハイビスカスの原種

Kokiʻo keʻokeʻo(コキオケオケオ)はハワイ固有種の白いハイビスカスです。コキオケオケオには、オアフ島原産のアーノッティヌス、カウアイ島原産のワイメアエ、モロカイ島原産のトマクラトゥスの3種類があります。

アーノッティヌスは、中央の長く赤いシベがとても印象的な花です。ワイキキなどでよく見かける白いハイビスカスたちの原種になっています。コキオケオケオには、ハイビスカスには珍しく香りがあります。マノアの森をハイキングした時に、アーノッティヌスが咲いているのを見ました。ハイビスカスの情熱的なイメージとは異なり、清楚で清々しい印象でした。貴重な原種 いつまでも咲き続けて欲しいですね。

ハイビスカスのモチーフには「輝かしい未来」や「新しいチャンスをもたらす」という意味があります。ハイビスカスはその日のうちにしぼんでしまう一日花です。でも次の日には、また新しい花を咲かせます。この凹んでも寝たら元気になる切り替えの良さが輝かしい未来に繋がっているのかもしれません。

赤い蕊についた露は、清々しい朝の風景をイメージしています。

 

透け感のあるアクリルパーツのロングピアスなのでハイビスカスの髪飾りをつけていても喧嘩しないと思います。その出しゃばらない感じがコケオケオケオです。

帽子飾りのピンですが、ブローチやストール留めにも使っていただけます。蕊の部分にはワイヤーが入っているので、形を整えていただけます。



E Komo Mai


ALOHAnobの手仕事へお越し下さり、ありがとうございます。ハワイで拾い集めたモノや思い出をネタに、アクセサリーや小物を作っています。LIVE, LOVE, LAUGH and GIVE ALOHA! をモットーに創作活動をしています。気に入って頂けた作品は、minne/creemaなどのハンドメイドマーケットでご購入いただけます。京阪神地区の手づくり市に出店したり、ショップに置かせてもらったりしています。このWEBサイトでは、マーケットで伝えきれない作品のバックストーリーを紹介しています。また、身の周りで気づいた ”日々のALOHA” を、instagramの「ALOHAnobの手仕事」でつぶやいたり、ハワイ旅行のいろんな事をブログ「一日・一ハワイ」で発信、毎週4で更新しています。  * Mahalo ALOHAnob 2018 *